株式会社リバネス 金城雄太さん

那覇市泉崎にある大学受験予備校『グレイトヴォヤージュ』(以下GV)は、ただの予備校ではない。予備校でありながらゴールを大学合格とせず、その先の未来まで繋げる場所。沖縄県内外で活躍する様々なロールモデルを見せることで、将来の選択肢の多さに気づかせ夢を抱いた生徒には、それを叶える為の力を貸す場所である。今回のゲストは株式会社リバネスで畜産の研究をする獣医師の金城雄太さん。

獣医師であり、研究者

大岩「金城さんのこれまでの経歴を教えていただけますか?」

金城「中学・高校が昭和薬科で、卒業して東京薬科大学の生命科学部に入りました。卒業後は筑波の医科学研究科に進んだのですが、ラボワークなどが合わなくて辞めてしまいました。そのあと自分は何をするべきかを考えた時、実家が今帰仁村で養豚をしていて小さい頃から身近に家畜がいたので、麻布大学の獣医畜学部に入り直しました。今は獣医師として、畜産(豚・鶏)の研究や調査をしています」

大岩「動物って人間には分からない未知の分野が多いですよね。だから余計に研究が必要なのでしょう。GVにも獣医を目指している子がいます。その子は野生動物の研究をしたいらしくて、北海道に行きたいと言っていますが、北大の獣医学部って定員が少ないからある意味医学部よりも難しいですね。獣医になりたいという高校生はたくさんいますが、どういう仕事があるのでしょうか?金城さんのお仕事って研究ですよね。具体的にはどのようなことをされていますか?」

金城「我々の会社と国の農研機関や大学など5〜6の機関が組織を作って豚の研究をしています。豚は呼吸器系が弱く、病気になったら簡単に死んでしまうので、病気になった豚を鳴き声で判別して早めに病気だと知らせてくれるシステムを研究・開発しているんです。豚を飼って病気にして音声を取っているグループがあれば、センサー開発をしているグループもあり、我々はその音声データから病気か病気でないかを判別するシステムを作っています。あと、県からの委託で去年まで山羊の調査事業をしていました。県としては観光や文化的な面もあり増やしたいのですが、飼っている人の高齢化などにより減ってきている状況で。県内の山羊農家を調べて山羊を増やしていくにはどうしたらいいか、3年間の調査である程度の指標が出来ました」

大岩「沖縄って北部とかだと山羊を飼っていて、時期が来たら戴くじゃないですか。それって命の大切さを知る上でもの凄い経験だと思うのです。子供のうちからリアルな自然と接する、生き物と接することで感情を豊かにするってすごく大切なことですが、都市部の子どもはバーチャルな空間で暮らしていて、感情体験が充分でないから命の実感がなかなか持てない。だから自然を大切にしろという言葉が響かないのです。彼らに金城さんの様な命に近いところでお仕事されている方のお話を聞かせてあげたり、ファームを見せてあげたら大きな学びになると思います」 自らの手で見つけた 発見が世界を変える 大岩「研究の魅力ってなんですか。また夢はありますか?」

金城「研究の仕事は苦労も多いですが、世界で初めてを自らの手で見つけることが大きな魅力です。その発見が社会に対してインパクトを与えることを夢見て我々研究者は日々研究に勤しんでいるんです。これから産業構造が変わりやすい世の中になっていくと思うので、僕のビジョンとしては畜産を活性化させて10年後20年後も続けられる産業にしたいと思っています」 大岩「ノーベル生理学賞・医学賞を受賞した本庶佑さんが基礎研究の重要さと発見の偶然性について強調されていました。地味な作業の繰り返しの中で偶然生まれた発見が、医学だったら人の命を救えたり、獣医だったら養豚など産業が発展したり、あるいは食の部分の問題解決に繋がったりする。いっぺんに世界を変える可能性と魅力がありますね」

株式会社リバネス  金城雄太
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大学受験予備校 グレイトヴォヤージュ
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