第3回 レッツチャレンジ昆虫食。〜沖縄の海と山の推しメン紹介〜

こ数年、SDGs的な注目もあってか、コオロギ粉末入りのスナック菓子が量販店に並ぶなどかなりメジャーになってきた昆虫食。  しかしいざ自分たちで採ってきて食べるとなるとハードルが高いという方も多いようです。SDGsというのであれば、自然界から採ったものが口を通り、体をつくる栄養となることを体験し生態系と自分とのつながりを感じてみたいもの。こじつけになりましたが、今回は食材として採って楽しい、食べておいしいバッタのお話です。  入門レシピは「鬼殻焼き」がオススメ。串を打ち、醤油をたらしつつ焦げすぎないようにコンロなどで焼くだけです。くれぐれもよく加熱すること。揚げ料理もいいのですが、あまりカラカラに揚げると「揚げれば何でも食える」式になり、素材の味を感じられません。

バッタといっても多くの種類があります。ここまで読んだ皆さんはどの種類がどんな味か気になってきたと思いますので、後半は沖縄県内で入手しやすい5種を、筆者が食べ比べた主観でレポート(★5が最高)します。なおバッタ全般、おおまかにはエビから海の香りを引いて草の香りを足したような味で、臭みもなく、未知の味という感じではありません。

トノサマバッタの鬼殻焼き

食材バッタの定番、イナゴ

●イナゴ類 ★★★ 草の香が立ち旨味も強く、案外硬すぎず食べやすい。小さいが数を集めやすく、食材バッタの筆頭。沖縄でよく採れる種類はコイナゴやタイワンコバネイナゴ。
●タイワンツチイナゴ ★★★ 旨味も強く、大きいので食べ出があるが若干硬い。よく飛ぶので大量にいる場合でないと捕獲が難。
●トノサマバッタ ★★★★★ 驚くほど旨味が強く香ばしい。他のバッタもおいしいが、トノサマバッタの食味は別格。よく飛ぶので捕獲が難。
●マダラバッタ ★★★ 砂利の駐車場などにもいて、おそらく沖縄の都市部で最も身近なバッタ。旨味はほどほどだがほのかな甘みを感じる。よく飛ぶためイナゴより採りにくい。
●ショウリョウバッタ ★★ 身近なバッタで、♀は大きくて動きもにぶく採りやすいが、旨味が薄く若干の渋みというか雑味を感じる。一見やわらかそうだが口に残る。他と比べてしまうと食材として劣る。

最後に昆虫を食べるにあたっての注意点を。ひとつはよく加熱すること。昆虫に限らず野生の生物はさまざまな寄生虫や細菌を持っており、安心して生食できるのは海産魚の肉など少数の例外のみです。

もうひとつはアレルギー。昆虫が特にアレルギーを起こしやすいわけではないのですが、これまで食べたことがない人は、生まれて初めてエビ・カニや蕎麦などを食べる時と同様の注意が必要です。

食べようと思って集めてみると、種類ごとの行動のちがい、好む環境のちがい、時期による増減など、思いのほかいろいろなことを知るきっかけになります。人類の持続可能性のために自然環境とうまく付き合っていかねばならないことはもちろんですが、採って食べる昆虫食はその自然環境がどのようなものなのか知るためのよい体験です。

Miyazaki Yu

生き物とそのウンチクが大好きなヒゲのガイド。 「キュリオス沖縄」は、沖縄県内の海や森などのフィールドでネイチャーツアーのサービスを提供しています。キュリオス沖縄のツアーは、自然の中を歩きながら生き物や環境を観察したり、その形や生態について考えたりする「インドアなアウトドア」スタイル。ガイドは基本的に専門過程で学習・研究経験のある「生き物好き」が務めます。このほか、県内のさまざまな自然・生物多様性に関する普及啓発などの事業をお手伝いさせていただいています。

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