[登壇者] 琉球大学グローバル教育支援機構准教授
株式会社琉球GLOCALサービス代表
山元 淑乃 さん

“My Life Story” “My Work & Business ”

沖ゼミSDGsWEEKでは、琉球大学グローバル教育支援機構准教授であり、株式会社琉球GLOCALサービス代表の山元淑乃さんが今に至るまでの自身の壮絶な経験談と多文化共生に関する取り組みについてお話いただきました。県内の最高学府であり多くの受験生が目指している琉球大学の准教授で、地域と世界を結びつける活動をされている山元先生の講演とあり、多くの高校生の関心を集めてこの日も予想を超えた80名以上の参加者がひしめき合う中での講演となりました。
幼少期の辛い経験を経て、英語を話すと別の自分になれると感じ、外国語を学ぶようになったこと。学歴の大切さに気づき必死で受験勉強をしたこと。ルーマニア、ラトビア、フランスとヨーロッパ各国で日本語教師として働く中で、お金の問題、社会構造の問題、東欧諸国の厳しい冬の寒さ、言語とアイデンティティの関係について深く考えることになった海外経験の話は生徒達にも深く刺さっていたようでした。

誰ひとり取り残さない。

2007年に沖縄の琉球大学に着任後、留学生の孤立を防ぐ活動に取り組んでいます。自身が言葉で苦労した海外での経験から「チャンプリンガル」造語を作り「何語を使っても良いから、とにかくその場にいる人を取り残さない」という多言語が飛び交う交流の場を設けています。また、琉球大学のある西原町で『GLOCAL FESTA』という、留学生と日本人学生が交流できるイベントを企画。イスラム圏など世界の様々な地域からの留学生に「My Life Story」を語ってもらう「Human Library(人間図書館)」という企画では、普段混じり合うことのない立場の人たちがお互いの文化を理解し合える場を提供しています。
更に、山元先生は、起業して宜野湾市に不登校の子供たちと外国人留学生が出会うフリースクールを立ち上げ、お互いに教え合う機会を作っています。社会問題の解決に必要なのは、ボランティアではなくビジネスという山元先生は、アントレプレナーシップの重要性を語りました。誰かが身を削るだけのボランティアでは、その人が辞めてしまえば終わってしまう。しかし、そこにお金を作り出す構造を作ることで次に引き継ぐことが出来る。それが持続可能な社会です。