左から金城保さん 西岡壱誠さん 吉田知生さん

1973年に九州から沖縄へ進出して以来、半世紀以上にわたり地域の中学受験を牽引してきた学習受験社ガゼット。同社がこのたび、新たな試みとして西岡壱誠氏を招いた講演会を開催しました。偏差値35から東京大学への逆転合格を果たし、ドラマ『ドラゴン桜』の脚本・監修も務めた西岡氏は、その経験に基づく学習法と視点を余すことなく紹介。そのユーモアに富んだ講演会は盛況のうちに幕を閉じ、終了後にはガゼットオフィスにて座談会が実施されました。

ー今回ガゼットさんが西岡さんのイベントを開催することになったきっかけを教えてください。

吉田 沖縄の子供達は「東大を目指す」ということが、どこか自分とは関係のない遠いところの出来事として捉えているようですが、ガゼットには優秀なお子さんが多く在籍しています。そこで西岡さんの逆転合格のエピソードを聴いて「自分でもできるのでは?」と、自分事として考えて欲しいという想いが生まれ、この講演会を企画しました。

ー沖縄での講演はいかがでしたか?

西岡 以前、那覇高校のPTAに呼んでいただいて講演したことはありますが、沖縄ではほぼ経験がなくて、小学生やその保護者向けというのは初めて。どんな反応が来るかと心配していたら、すごく手が上がってポンポンと色々な意見が飛んできたことに驚きました。しかも独創的だったり、子供も大人のような質問をしていましたね。東京では恥ずかしがってなかなか手を挙げて発言する子はいないのですが、沖縄の子はアウトプットやコミュニーケーションの文化が都会よりも発達しているように感じました。

ー沖縄では昔から芸能などの分野で活躍する人が多く、表現する力は全国レベルと言われてきましたが、学力に関しては依然として低い状態にあります…。

西岡 最近は認知能力・非認知能力なんてよく言われますが、コミュニケーション能力や人間力に代表される「非認知能力」は、学力に代表される「認知能力」とは相反するものではなく、相関的に伸ばせるのではないかという学説があります。コミュニケーション能力(非認知能力)が長けているのに、学力(認知能力)が低いということは、ちょっとボタンを掛け違えているだけなのではないでしょうか。だからうまく導くことができれば、うまく発達するお子さんも増えるのではないかと思っています。

ーこのイベントを通して何か気づかれたことはありますか?

吉田 同じ話を聴いて、親と子で受け取り方が違っていたことですね。親の方は「どういう風に勉強させたらいいか」「不合格だった時にどのように子供と接するべきか」など、テクニックの部分に関心を持っていた感じがしますが、子供は「東大生になってみたい」「チャレンジしてみようかな」といった意欲を刺激されていたように感じました。また、講演の最後で「今回の講演はいかがでしたか?」という質問に、ワーっと大きな拍手が上りました。勉強に関する講演会でこのような拍手が上がったシーンに遭遇するのは初めてで衝撃を受けましたが、大人も子供もエモーショナルな部分に火をつけていただいたのかな、と感じた瞬間でもありました。

金城 この講演会で、親御さん自身が変わらなければいけないという空気感を感じてもらえたように思いました。親御さんが自分で限界値を狭めて、お子さんにその狭まった世界を与えてしまっているケースが多い。まずはその限界値の線引を無くすというところから考えていただければと思います。

西岡 限界値の話、僕はお子さんに向かってしていたつもりでしたが、保護者の方が自分事として捉えてくれたことに驚き、嬉しく思いました。お子さんを信じて見守ってくれたらいいなと思います。また、講演会後の質問で、東大生になれる人はどのようなところが違うのか、どういった学び方をしているのかと聞かれたので、僕は「語彙力」と回答しました。東大の入試問題って文字制限が他の大学と比べてかなり厳しいことで知られていて、例えば京大や一橋なら90文字で答えてねというところを30文字で答えさせるような非常にきつい要約力を求められるのですが、国語ではもちろん、英語でも世界史でも要約は求められるので、語彙力ってすごく重要です。例えば2013年の英語の試験で出題された“durable”という言葉について。これは辞書を引くと「耐久性がある」と出てきますが、漢字2文字で表現するようにと言われたらどうでしょう。「丈夫」では微妙に表現しきれていない。ある予備校の先生は「強靭(きょうじん)」と言っていました。「強靭」という言葉自体に意味が2つあって、壊れない頑丈さも、竹のように撓るしなやかさもある。だからこの場合は「強靭」と書けるかどうかで、点数の差がめっちゃ開くので語彙力は大事ですよ、と。

吉田 西岡さんの凄さは、語彙力があるというだけでなく、なぜその言葉を知っておかなければいけないのかという背景まで説明できるところですよね。
ガゼットの生徒さんは、中学受験に向けて学びのルーティーンができていますが、講演会という非日常の強い刺激により、やってきたことが正しかったのだと思えたでしょう。まだ塾に通っていないお子さんは、考える機会を得られたのではないかと思います。受験において、早期スタートは有利にはたらきます。ぜひこの機会に入塾を検討いただければと思います。

金城 このイベントをきっかけに、生徒・保護者ともに東大受験を自分事として捉えて、早期から高い目標を持つ文化を醸成したいですね。

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