根上 2025年10月、琉球大学で沖縄県内の数学・情報・工学好きの方たちが仲間を見つけられるイベント「おきなわ数学まつり」を開催しました。沖縄県からは、沖縄高専航空宇宙同好会・ロボコン、OIST、CoderDojo名護さんのご協力を得て百名を超えるお申し込みがありました。担当スタッフの報告をご覧ください。

黄黒さん 五分間で数学を語るイベント「日曜数学会」を開催しました。世の中には、「趣味で数学をしている人」=日曜数学者の方々が大勢います。日曜数学会はそうした人たちが一堂に集まり、自分がいま一番熱いと感じている数学を発表するイベントです。 今回は8名の方に発表頂きました。虫食い算を作る方法や、ジャグリングの技を数列で分類する方法、チェスのナイトを利用したオリジナルパズルの分析などの発表が行われました。 発表の様子はニコニコ動画でも視聴できます。勉強としてではなく、趣味として行う数学の魅力が伝われば幸いです。

三好さん パズル・ゲーム部屋の運営を行いました。立体パズルコレクション、虫食算問題集、対戦数学ゲーム「ゴドマチ」「陣目取」、ボードゲーム「ブロックス」などで遊ぶことのできる部屋です。同じ部屋で数学系同人誌「数学デイズⅠ・Ⅱ」「小説を書くやつら」の即売会も行いました。 来場されたたくさんの子供たち、それからそのご家族に楽しんでいただけたものと自負しております。解けたり解けなかったり、勝ったり負けたりがパズルやゲームの本体と思われがちですが、その裏にある数理の不思議に小さな「なぜ」が芽生えてくれたなら望外の喜びです。TAとして支えてくれた琉球大の学生のみなさんにこの場を借りてお礼を申し上げます。

大槻さん 数学をやるとゲーム・宇宙・プログラミングなど、いろんな世界で活躍できる! という話をしました。いろんな分野で発生する課題は、数学の言葉にすることで、似たような問題になることが多々あるからですね。 「数学のスキルを磨こう!」「いろんな世界の人の話を興味をもって聞こう!」ということをお伝えしました。その後、簡単なミニゲームの AI を作るワークショップをしました。参加者の方々がグループに分かれて議論して、発見があったら発表してもらうなどしました。最終的には、皆の議論を組み合わせることで、ゲームの必勝法を導出できました!

まとめ 発表してくださった皆さま、企画を支えてくださったスタッフの皆さま、そして足を運んでくださった参加者の皆さまのおかげで、数学の「おもしろさ」が会場のあちこちに花開いた一日になりました。沖縄県内で活動する方々にも巡り会えて最高の1日でした。熱心に取り組む皆さんの姿に、沖縄から未来の技術や研究がますます育っていく予感がして、本当に胸が熱くなりました。今回の体験が、誰かの中で新しい興味や学びへとつながれば幸いです。

三好 潤一
NPO法人数学カフェ理事、パズル懇話会代表幹事。

根上 春
誰もが数学を楽しめる場所づくりを目指すNPO法人数学カフェ代表理事。

大槻 兼資
数学やアルゴリズムの普及活動に取り組んでいます。アルゴリズムの書籍を出版したり、全国各地の高校で情報オリンピックの対策授業をしたりしています。
Xアカウント @drken1215

黄黒 真直
5分間で数学を発表するイベント「日曜数学会」の主催者。これ以外にも数学イベントを開催したり、数学小説を書いたりしています。
Xアカウント @kiguro_masanao

NPO法人 数学カフェ

境界なき数学コミュニティ Math Community without Boundary
所属組織、居住地、性自認、性指向、体調、国籍など様々な境界を取り払って誰でも
数学を楽しめる場所を作っています.

https://mathcafe.net/