2023年11月18日首里公民館にて弘文館主催、森弘達先生の教育講演会を実施しました。森弘達先生は、沖縄の私立高校 昭和薬科大附属中学高等学校で長きに渡る進路指導主任を経て、現在は東京の大妻中学高等学校で進路指導部長を務めています。以前は医学部への進学率の高くなかった大妻中学高等学校は、今年は医学部医学科へ約30名が合格。近年の進学先に変化には目覚ましいものがあります。森先生は拠点を東京へ移された今も、沖縄の中高生、保護者、教育関係者向けの講演会を度々されているので、進路に悩む中高生、保護者の皆さんは一度行かれてはいかがでしょうか。
学習指導要領の3観点別評価と内申点アップ
今回の講演会のテーマは「新学習指導要領の3観点別評価と内申点アップ」。元々、内申点は4観点(①知識 ②技能 ③思考・判断・表現 ④関心・意欲・態度)で評価されてきましたが、新しい学習指導要領になり、3観点(①知識・技能 ②思考・判断・表現 ③主体的に学習に取り組む態度)に変わりました。この3観点評価には、明確な評価基準がなく、各市町村の教育委員会や学校に委ねられていることが大きな問題であると森先生は危惧されていました。現在の課題は中間・期末考査の点数と席次が内申点で逆転される現象が度々起きていること。3観点評価で重要となってくるのが《リフレクションペーパー》です。授業を振り返り、学んだこと、疑問点、理解度などを書き込んで学校に提出するもので、単なる授業の感想ではなく、どのように自身が成長したかを書くことができれば評価は高くなります。しかしそのことが各生徒にしっかりと伝えられていないケースが多く見られます。
現在、子供たちは保護者世代の中学・高校時代に比べて求められることが多く、テストを頑張っただけでは高い評価を得ることができません。
ペーパーテストだけでは測れない観点
内申点は高校、大学進学の際にペーパーテスト以外の評価で重要となっています。でも、頑張っているのに中々内申点が確保できないとい場合は、どういう点を気をつければ良いのかは、個々に担当の先生から確認をしてみても良いと思います。
また、内申評価に苦しまず、中3の内申だけが必要な私立高や通信制高校を選択する人もいます。私立高は就学支援金を活用すれば公立と変わらない学費で進学できますし、通信制高校からの大学進学率も上がっていて、昔と違ってチャンスはいくらでもあります。
講演会の最後は質疑応答で、参加者からの「思考力をつける指導とは?」との問に、「一問一答ではなく対話をすること」との返答。
証拠と根拠を得るために資料を読み込み、データを分析することが思考力に繋がるというとのことでした。
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