数学カフェの理事・才津 葵(さいつ あおい)と申します。珍しい苗字ですが、本名です。同じ名字の方にお会いしたことがなく、是非いらしたらお話させていただきたいなといつも思っています。今回は私が本コラムを担当いたします。よろしくお願いいたします。

まず軽く自己紹介をすると、私の職種は《フリーランス》です。日本の法的な定義では《個人事業主》という言葉が正しいようです。

仕事内容としては、IT企業や社会福祉・教育系NPOのセミナー・イベントの企画、運営・司会や、小中規模のNPO法人等の経営管理・事業企画が中心です。また、東京・北海道と2拠点で生活・仕事をしています。

大学では政治学を学んだ文系なのですが、なぜ文系の私が数学NPOのオシゴト(活動)をしているのでしょうか?

理数系の先生を始めとして、直接お会いした方と名刺交換したときなど、一番興味関心を持っていただけることが多いところです。そう、大人でも不思議に思う方が多いのです。

簡潔にその答えを書くと、私は、数学が好きな方々が《楽しい!》と思うことを、もっと多くの方々にも《楽しい!面白い!興味深い!》と思ってもらえる《キッカケづくり》をしたいからです。

それにしてもなぜ数学なのか? そのキッカケは偶然の出会いでした。

数学カフェのメンバーにも多くいるのですが、自身が数学を趣味や研究として楽しみつつも、《もっと多くの人に算数・数学の楽しさを伝えたい》と思う人たちと出会ったからです。その方々と会ったとき、その楽しそうな熱量と、数学の楽しさを語る時のキラキラとした輝く目に、私は圧倒されました。

子どもの皆さんも、大人の皆さんも、近隣でたまたま参加したイベントや、自発的に参加したイベントで、何かしらの《新しい発見》、《心が動く体験》をしたことはないでしょうか?

そういう発見や体験を私はここで《キッカケ》と呼んでいます。

もうそんなキッカケに出会っているひとも、今は出会っていないひとも、何かしらの小さなキッカケが、自分自身の生きる・働く・学ぶ、原動力になることがあったりするかもしれない。

そんなキッカケを、他の方にも是非、算数・数学という学問を通じて作りたい。私が出会ったように、私が持っている力を使って。そう思ったのが私が《算数・数学の楽しさを伝える活動》にハマったキッカケです。

具体的にキッカケづくりというのは、イベントをひとつ企画して、運営すること。そこでは企画・運営面で私のような《文系》も力を発揮できます。

しかも、文系だからこそ、数学好きの方々とは違う視点から内容の提案をすることも出来る。数学好きな皆さんが面白いと感じているこの話を、数学にはそんなに興味がない多くの方に対して、どう見せたら、より一層伝わるのか考えることが出来る。こうすれば数学って意外と面白いね、と思ってもらえるキッカケになるかもしれないのでは、と提案することも出来ると思うのです。

本コラムが掲載されるジュクタンさんは、進路を考える方も沢山読まれる雑誌であると聞いています。

目の前の進路を考えることがまず一番大事ではありますが、世の中には、こんな生き方をしているひともいるんだな、くらいでこの話を読んでいただけたら幸いです。

生き方はひとつではありません、そしてその時々出会ったキッカケを元に、数年先に変わってもいいのです。

自分の人生の中で、コレを見ていたら、コレをやっていたら、僕/私は楽しい!
そんな今ある原動力や、これから先に出会うであろう沢山のキッカケを大切に、これから先も過ごしていっていただきたいと思います。

NPO法人 数学カフェ

境界なき数学コミュニティ Math Community without Boundary
所属組織、居住地、性自認、性指向、体調、国籍など様々な境界を取り払って誰でも
数学を楽しめる場所を作っています.

https://mathcafe.net/