写真左から:川原すずかさん 速水彩華さん 安里恒佑先生 國吉美穂先生 新妻美佳さん 知名凛音さん 崎原柚さん

この夏、九州大会で優勝し俳句甲子園にも出場した興南高校俳句部。 2020年、俳人協会新人賞を受賞した顧問の安里琉太先生と 俳句部の皆さんにその魅力について聞いた。

九州大会優勝、そして 俳句甲子園に出場

興南高校俳句部は創部6年目。昨年から俳人協会新人賞を受賞した俳人、安里恒佑先生(俳号 安里琉太)を顧問に招聘し、この夏、九州大会優勝と8月に愛媛で開催された俳句コンクール「全国高校俳句選手権大会(通称俳句甲子園)」へ出場を果たした。俳句甲子園は2チームが赤白に別れ、先方・中堅・大将の3句で競われる。代表者が俳句を読み上げ、それに対する質疑応答を3分以内で行い、対戦ごとに審査員が判定し勝敗が決まる。今大会では優勝した開成高校に初戦で惜しくも敗れたが生徒たちは大きな刺激を受けたという。今回、顧問である安里先生と部長の知名さんに現在の興南俳句部の活動について聞いた。

顧問の安里先生は、首里高校2年の時、俳句部に入部。全国大会に出場するまで俳句甲子園のことはよくわからなかったが、負けてみて自分が頑張っていれば勝てたかもと、一年間、より力をいれて俳句づくりやディベートを磨く。高校卒業後、琉球大学に進学し、その後は法政大大学院で俳句の研究。卒業後は海城高校にて教鞭を取り、2020年に帰郷。現在は興南高校教諭として日々教壇に立っている。

俳句部の活動について 安里恒佑先生

「今年、俳句甲子園に出場したこともあり生徒も熱が入っていると感じている。俳句部の活動は週2回。水曜日の句会では5句作ってそれぞれの句について評価する。金曜日はディベートで質疑応答の練習。月に一回はOBや外部のゲストを招いての句会を開催している。今後はオンラインで若手の俳人も招聘し、生徒たちにはより俳句の魅力に触れてほしい」と語る。

俳句部の魅力とは? 知名凛音さん

「友達に誘われ入部しました。補欠でしたが九州大会へ出場。そこから俳句の沼にはまりました。俳句は十七音の中に驚き、感動、面白さ、発見などいろんなものを感じることができます。短いからちょっとした隙間時間にいろんな句に触れることができる気軽さも魅力です」。  全国大会では句を創作するだけでなく、互いの句を評し合うディベート力も求められる。季語がしっかり句の中に活きてるか? 十七音の中に不要な言葉が無く、句を読んだときに想像が広がるか、などの洞察力が必要だという。今後の目標については、「今年6月からはじめたのでまだまだ実力不足ですが俳句甲子園に出場して句が大好きな高校生に出会い刺激を受けました。今後の目標は句の良さを誰が聞いてもわかり易く伝える力を強化していきたいです」と語った。

興南俳句部・作品紹介(一部)

ほぐしつつ秋刀魚の焦げの少し金

今年の俳句甲子園でも入賞を果たした知名さんの作品。「沖縄に住んでいると秋刀魚は日常には馴染みが弱い。秋刀魚の季語を見たときに庶民的な食べ物としていろんな家庭で食されてる点に着目。また秋刀魚の画像を観察して感じた食べるときほぐしていると焦げの部分に少しだけ『金』が見えることに、ちょっとした喜びや驚きの瞬間を表現しました」。

水中花鰓呼吸などできないが

原柚さんの作品。「水中花の美しさと生命力を伝えるために水棲生物の「鰓呼吸」を取り入れた。「できないが」の後に美しさを想像できるよう創作したとのこと。

取材当日はゲスト句会も開催

沖縄で活躍する俳人と興南OB、高校生を交えての句会が開催された。句会は参加者それぞれが5句出し自分以外の句を評価・批評し合う集まり。世代を超えて俳句を作り磨き合う姿は今後の沖縄俳句のさらなる発展を予感させた。

学校法人興南学園 興南中学校・興南高等学校
〒902-0061 沖縄県那覇市古島1-7-1 TEL:098-884-329

2022年 ○10月 2日(日)興南中学校小学生体験授業ハイサイ教室  木村達哉氏 講演会「なぜ今、中高一貫校か」
○10月23日(日)興南高校説明会(入試問題解説)

【公式サイト】https://konan-h.ed.jp/