
学生団体ALOHA 代表/東京大学経済学部4 年 伊礼漢(昭和薬科大学附属高等学校出身)
高1の冬、安里にある学習塾の2階で、私はひとり悶々としていました。
私の通う高校では優秀な人ほど医学部を志していました。それもそのはず、この学校は医学部輩出校として知られ、それを望んで子どもを進学させる保護者も少なくありませんでした。
当時、私は将来の目標も定まらないまま、模試のたびに志望校欄にはどこかしこの医学部を書いていました。
しかし気づけば今、東京大学に進学し、沖縄から東大生を増やすための活動をしています。
振り返ってみると、高1のある日、先生が面談で私にこう語りかけました。「漢なら東大行けるよ」と。その言葉には、どこか引き込まれる力がありました。もちろん、その先生の伝え方が上手かったのかもしれません。しかし今思うと、私の心のどこかで東大への憧れが常にあり、それ
をただ先生がそっと引き出してくれたのだと思います。
私たちが運営する「学生団体ALOHA」では、沖縄の中高生を対象に、勉強合宿や講演会、面談などの企画を、年に十数回開催しています。
私たちの理念は「沖縄の生徒が持てる将来の可能性を広げる」ことです。その一手段として特に、沖縄から東大に進学する生徒を増やしたいと思っています。一つ理解していただきたいのは、私たちは全ての生徒が東大を目指せば良いと考えているわけでは無いということです。もし正しい理由で行きたい大学があれば、絶対にそこを目指すべきだと思います。それでもなぜ東大を全面に押し出しているのか。それは、 この学校に特別な力があるからです。
一つは、「ミクロな力=個人に影響を与える力」です。東大は日本の最高学府だという特徴があります。だからこそ、東大は「視座を高めるベンチマーク」になり得る。つまり、東大は手段なのです。東大を一度現実的な選択肢として認識することで、高い目標に対する心理的障壁が薄れ、
東大のみならず新たな選択肢が広がると考えています。
もう一つは、「マクロな力=沖縄に影響を与える力」です。東大に進学すると、官僚や大手企業、海外、スタートアップへの挑戦など、多種多様な道が現実的に見えてきます。沖縄を背負った学生がそういった道に進み、沖縄に思いを馳せながら、各界で活躍する未来。それが実現したら、沖縄の産業が更に発展し、発言力も増し、山積する課題解決の糸口に繋がるのではないでしょうか。
私たちはただの学生で、社会に出たこともない。そのような私たちが、沖縄の未来が、東大の学生が、などと息巻くのは身分不相応かもしれません。しかしまだ学生だからこそ、後輩に伝えられること、大人を巻き込んで出来ることがあると思っています。
これからも学生団体ALOHAをよろしくお願いいたします。


学生団体ALOHA
全員が沖縄出身の東大生による学生団体で、沖縄からの東大進学者を増やすことを目標に活動。沖縄の中高生に向けて東大ツアーや勉強合宿、オンラインの面談などを行っている。