前回は「自分でフィールドに行ってみたい!」という方向けに、沖縄の陸フィールドで気を付けるべきことについて書きましたが、今回は海フィールド(潮が引いたサンゴ礁の磯歩き)編です。

①フィールドの選び方

最初のフィールドは「人が多いところ」を選びましょう。誰もいないような海岸だと、万一のケガや事故の際に助けを求めることが難しいからです。有名なポイントであれば人もいて、比較的安全なことが多いのですが、はじめのうちは海のフィールド経験の豊富な人に場所選びを手伝ってもらえると安心です。同行してもらえたらもっと良いでしょう。初心者のうちはもちろん、慣れてきても必ず複数人で行くようにしましょう。

②危険な場所に近づかない

危険な地形や場所について知っておきましょう。たとえば「リーフクレバス」。平らなサンゴ礁に、幅はせまいものの3m以上の深さの溝が落とし穴のように開いている場所があって、落ちると抜け出せないおそれもあります。同じような理屈でテトラポッドまわりも危険。足場に藻が生えて滑りやすい場所、尖った岩がならぶ場所などにももちろん注意です。海岸によっては、岸に寄った潮が一か所に集まって沖に流れる「離岸流」が発生します。海に入るのでなければ普通は関係ありませんが、万一落ちた時などに備えてどんなものか調べておきましょう。

③天候に気をつけよう

海は自分より高いものがなく、雷が落ちる危険があります。海で雷が近くで鳴りだしたらすぐに撤収が原則。また雨が強くなると視界が悪くなり、風が強くなると波が高くなるので危険です。事前に天気予報をよく調べておきましょう。現場でも雨雲の動きに注意しましょう。急に冷たい風が強く吹いてきたら、天気が大荒れになる確率大です。晴れているときは晴れているときで、熱中症にもよく注意する必要があります。

④潮位に気をつけよう

そもそも潮が十分に引かないと、サンゴ礁を歩くことができません。潮が十分に引く日に、引く時間に合わせて計画するのが基本。潮位はウェブサイトや釣りアプリなどでかなり先の日程まで確認できます。ただ、場所によってどのくらいの潮位で歩けるかは違うので、最初は経験者に聞くか、何度か下見して確認する必要があります。帰る時間を間違えたり夢中になると潮が満ちてきて帰れない…なんてことにもなるので、最干潮(もっとも潮が引く)の時間から1時間以内に陸に戻るのをひとつの目安にしましょう。

⑤持ち物や服装

服装はいろいろなスタイルがありますが、キュリオス沖縄では上下は動きやすい服装で、靴は滑りにくく棘などが刺さりにくいフェルト底のダイビングブーツを推奨しています。胴長(長靴と防水のズボンがくっついた装備)は転んだときに溺れる危険があるので、初心者は避けましょう。海では基本的に日陰がないので季節にかかわらず帽子を被るようにします。その他、岩を起こしたりする際に手をケガするおそれがあるので、内側に薄くゴムが張られた手袋を着けるようにしましょう。ホームセンターで手に入ります。

⑥危険生物        

海には危険な生物がたくさんいます。刺胞に毒を持つクラゲ類やイソギンチャク類、背ビレに強力な毒を持つオニダルマオコゼ、咬まれると命にかかわるウミヘビ類など、挙げるときりがないほどです。また、触るのは問題なくても食べると危険な生き物もたくさんいます。これらの危険生物は沖縄県のウェブサイトや一般向けの書籍、その他様々なウェブサイトなどで紹介されているので、海に行く際にはその見た目やいる場所、被害にあったときの対処方法を確実に把握しておきましょう。

⑦法律を調べよう

生き物を捕まえようとするとさまざまな法律や条例、その他地域のルール等の制限を受けます(前号の記事も参考にしてください)。海には漁業権による制限もあります。事前によく調べましょう。立入禁止の場所に入らない、漁業に従事されている方の話はよく聞き、トラブルを防止するなども重要です。

⑧夜に観察に行く場合

夜の海は夜行性の生き物が多く魅力的ですが、最初は必ず経験者に計画段階から協力してもらい、同行してもらうようにします(初心者向けではないのでここでは詳しくは触れません)。また昼間に行ったことのない場所にいきなり夜に行くのは厳禁。かならず昼間行き慣れた場所を選びましょう。

⑨緊急の連絡先を確認しておく

緊急の場合の家族や知人の連絡先、救急をやっている最寄りの病院などの情報を確認し、できればスマホが電池切れして他の人に連絡してもらう場合にもそなえて印刷して持っておきましょう。またいつどこに行って何時頃戻る予定か、家族や知人にあらかじめ伝えておきましょう。

終わりに

ここまでざっくりまとめましたが、それでも不安が残る方は生き物観察に特化した”貸し切り”ツアーを行っている弊社(キュリオス沖縄)のツアーへの参加もご検討ください。一度参加すれば自然観察について気をつけるべきことも学べます(重点的に学びたい場合は、申込みの段階で要望としてお伝えいただければ、より詳しくレクチャーできます)。詳しくはホームページをご覧ください。

一見海藻にしか見えないハナブサイソギンチャク。砂地に生息しており、刺されると猛烈に痛む。





弊社の磯歩きツアーの様子。潮間帯の潮だまりで、サンゴ礁とそこに住む生き物を観察している。

仲間 信道なかま のぶゆき
沖縄生まれ沖縄育ち。好きな生き物は多足類(ムカデ、ヤスデ、ゲジなど)、昆虫、爬虫類など広く。専門はタマヤスデの分類。多趣味で、バイクいじり、古物収集、レコード鑑賞などが好き。琉球大学大学院農学研究科修了。修士(農学)

一般社団法人 キュリオス沖縄
沖縄県那覇市前島2-5-17 福琉産業ビル前島6階 TEL 080-9851-883

公式サイト:https://curiousokinawa.com/

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