先生方の学生時代と 国語力の上げ方
写真左から:脇 勇一 講師(国語・英語担当講師) 横濱学院塾長 成竹 義隆 さん 弘文館塾長 岡田崇さん
前号に引き続き、与那原にある横濱学院の塾長成竹先生との対談に、弘文館で国語・英語を指導している、脇先生を交えてお送りします。
岡田:僕は親に小4から塾に入れられ、開成と学芸大附属限定で中学受験をし、学芸大附属竹早中学校に進学しました。しかしここは上位3分の1しか内部進学出来ず、高校は都立へ。周りは私立文系を目指す人ばかりで、国立医学部に行きたかった僕は浪人し代ゼミに。そこで良い先生に巡り会えたので、ここでようやく受験勉強って面白いなとハマり、1日18時間は勉強しました。別荘にこもったり、山手線をぐるぐる回りながら電車の中で勉強したりと、自分が集中しやすい環境を探して実践していました。
成竹先生は東大、脇先生は東京外語大の出身ということですが、かなり勉強されたのでしょうか?
成竹 :私は中学受験に失敗して、地元の公立中に行きました。中学時代は塾に行かず自学のみ。中3の後半、部活を引退してからの約半年が人生で一番勉強した時期ですね。僕が合格したのは、横浜翠嵐高校。高校では、東大出身の先生が多く非常に恵まれた環境でしたが、宿題以外で勉強した記憶はありません。東大に行こうと決めたのは、高3の夏の終り。そこから勉強を始めたので、浪人してきっちり1日8時間、図書館で勉強しました。勉強時間以外は結構暇だったので、友達とテニスをしたり、家庭教師をしたり、バイクで海へ行ったりと、今思えば浪人時代が一番青春を謳歌していました。学校の授業はインプットが中心でだしたが、インプットとアウトプットを繰り返す時間をしっかり持てれば、ちゃんと成果は上げられるのです。
脇:私は小学生の頃ミニ四駆にハマっていて、全国大会で準優勝しました。これは灘高校に入るより凄いことなのでは思っています(笑)。何かにハマる癖が有る人は勉強にもハマりやすいみたいで中学に入ってからは自然と勉強にハマりました。親から「勉強しなさい」と言われなかったのが良かったと思います。アメリカの保険会社に勤めていた時に、そういったデータを多く見てきたのですが、誰かに言われて嫌々やっていることは破綻します。成竹先生は予備校時代、青春を謳歌しながらも1日8時間勉強出来たのは、誰かに言われたからでなく自分の意思でやっていたからだと思います。だから生徒の親御さんにも、あまり勉強しろと尻を叩かないようにお願いしています。
岡田:弘文館では国語指導に力を入れています。どの教科でも「国語力」は必要ですが、指導する上でどの様なことを気をつけていますか?
成竹 :国語の指導は本当に難しいですね。ある程度読書習慣などにも左右されるかと思いますが、医学部に行きたいけど国語がからっきし駄目という子に遡って読書習慣をつけることは出来ません。それで何を読むかというと、大学受験でいえば旧センター試験の過去問です。中盤〜後半はかなり洗練された良問が多く、これらを精読することは、読書習慣を補完する上で役に立ちます。しかし私の場合、小学校の頃は読書習慣がありませんでした。何をしていたかというと、新聞が好きで毎日読んでいたのです。読解力を身につけるなら、何かしら読む習慣をつけられたら勝ちです。指導する上では、生徒とのコミュニケーション(対話)の中で、国語力を上げることを意識しています。
脇: 私も同じで、受験で勉強する教材が読書経験になると考えています。気をつけてほしいのが、「私は小さい頃から読書習慣があります」という人。こういう人ほど好きな小説しか読んでいなく、主観的にこうだと感じたらそれが絶対的なものだと思い込んでしまう傾向があります。センター試験の文章などは自分の興味のない分野のものも出てくるので、そういった文章を読み込むのが大事です。
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