Q「子どもを褒めて伸ばそうとしていますが、うまくいきません。崎山先生はどういう声かけを行っていますか?」

A「私は褒めて伸ばそうとはしていません。設定目標への妥協はしないので、どちらかというと苦言の方が多いです。ただ、成長した姿を発見したらすぐに伝えます」

前向きな変化を 見逃さない。

当塾は、私ひとりで全ての生徒を教えています。同じ人間が毎回指導するのですから、些細な変化にも気付きます。そのとき、前向きな変化…例えば「お。今日の記述問題の解答は因果関係が明確でわかりやすいな」とか、「無難な抽象論へ逃げていたこの子の小論文が、今回はかなり具体的に踏み込んで説明しているぞ」といった進歩に気付く瞬間があります。その際はすぐに声かけします。

「今までは単語を羅列しただけで、読み手への意識に欠ける文だった。しかし今回は前半に理由が、後半に結果が無駄なく記され、伝わりやすい内容になっている。一か月前に書いた文と比較してごらん。イメージが浮かびやすくなっているでしょ?」 「今までの小論文はね、細やかな説明を避けて、表層的な論に終始していた。しかし今回は違う。自分自身の言葉で具体的に伝え、深く説明している。テーマと正面から格闘している。こうやって書き手が力を入れた箇所は、読み手にも当然伝わる。次のステージに前進したね、おめでとう」

観察し、何が成長したかを説明する。

子どもへの声かけは人それぞれでしょうが、私の場合は「子どもをよく観察し、進歩した瞬間を見逃さず『君は成長したんだよ』と気付かせる」です。そして、このときの説明はとても大切。どう変化したかを自分の言葉で伝えます。正直な感想なので、子どもの心に自然と入っていきます。すると、彼らは成長した部分を意識したり、自分では知らなかった長所を発見したりして、さらに良い方向へ進もうとします。

子どもは、必ず成長の 瞬間がある。

結論。勉強において伸びていく声かけは「褒めて伸ばそう」ではなく、「伸びた点を見つける」「何が伸びたかを説明する」です。多少時間はかかるし、都合良くいかない場合もあります。しかし、子どもを丁寧に観察していると、必ず成長の瞬間があります。それを見逃さず、あなた自身の言葉で「具体的に」伝えましょう。学習面での声かけにマニュアルはありません。しかし、子どもと真剣に向き合い、成長した点を見つけて語ればきっと心に響きますよ。

﨑山 潤(さきやま じゅん) 国語専科指導「総合国語塾」代表
対象 小4~社会人 科目 読解/作文/現代文/小論文/古文/漢文

総合国語塾
沖縄県宜野湾市佐真下153-19
090-1808-3569
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