第二章:読解と夏休み

夏休みの体験を通して語彙力向 上を目指そう。 読書やスポーツ、 友達との遊びを通して 自分の体験を言葉にしてみることの大切さ。

吉田拓郎さんが今夏で歌手を引退されますね。彼の数多い名曲のひとつに『夏休み』があります。「花火を買ってた夏休み 指おり待ってた夏休み」など少年期の夏の情景や体験を飾らぬ言葉で綴った歌詞は、子ども時代の懐かしい記憶を優しく呼び起こさせてくれます。

さて、この詞の響きの通り、夏休みは子どもにとって日常の延長線上ながら、一年で最も学校を離れ、普段の生活と異なった多くの体験を得られる季節でもあります。

いうわけで、(もちろん学業を疎かにしてはいけませんが)夏休みはお子さんと少し遠出して自然とふれ合ったり、親戚の家に泊まったり、様々なものを見聞し、普段の生活では味わえない体験をさせましょう。なぜなら、こうした体験・思い出は感情の幅を広げ、「内なる言葉」や「自ら考える力」を涵養するからです。そして沸き起こった心の動きを、日記や会話でどんどん言語化し、積極的にアウトプットしましょう。

は多くの生徒(小学生から大学生・社会人まで幅広い年代)の国語指導に携わっていますが、長文読解における「~はどういうことか説明しなさい」という記述問題や、「~についてあなたの考えを書きなさい」といった作文・小論文問題(今後の入試はこうした思考力・判断力・表現力が必要とされる問題が増えます)が苦手な子は、普段から自分の考えや感情を出せていないケースが結構多いです。しかし、たとえば「説明しなさい」といった記述問題の場合、本文を読みつつも主体的に「思考」し、選定する言葉を「判断」し、自らの言葉で「表現」しないと正解にはたどり着きません。

肌で感じた体験は主体的に考えるきっかけにもなり、結果として国語力伸長にも寄与します。学習も大事ですが、ぜひ夏休みにお子さんと思い出を作ってくださいね。

総合国語塾代表 﨑山 潤 先生

総合国語塾
沖縄県宜野湾市佐真下153-19
090-1808-3569
https://www.沖縄国語.com