地域の自然で主体性・協働性を
基礎とした国際的科学人材の育成

沖縄県立向陽高等学校は、平成31年に文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、先進的な理系人材の育成に取り組んで来ました。研究の基礎を身に付けて理数科では、1年で「SSリテラシー」、2年で「SS課題探究Ⅰ」、3年「SS課題探究Ⅱ」を系統的に配置し、科学的探究力を基礎から身につけています。

このSSH事業の一環として実施する2学年理数科学校設定科目「SS課題探究Ⅰ」での取り組み及び、普通科・国際文科の取り組みを発表する「向陽SSH生徒研究発表会」が、2月22日に開催されました。

午前中は、琉球大学理学部准教授 中川鉄水氏による講演会とポスター発表、午後には生徒のステージ発表が行われました。ステージ発表は数学・情報・地学・物理・科学・生物と各分野から6組で、うち2組は、英語による発表。質疑応答では琉大の先生や生徒からも質問が飛び交い、充実した発表となりました。

ステージ発表紹介(4チーム抜粋)

【(情報)来校しない学校紹介】
コロナ禍で移動制限があった頃に、受験生が志望校を決める際に学校見学が出来なかったことから、実際に足を運ぶこと無く学校の中が見られるよう、マインクラフトを使って学校を再現。学校紹介専用のホームページを作成して学校の公式HPからリンクできるようにした。メンバーが2人だったため、制作に時間がかかり発表までに完成には至らなかったが、完成したら遠方から受験する中学生などにとって助けになるだろう。

【(物理)トラス構造について】
東京オリンピックの際に活用された段ボールベッドが話題になったことから、段ボールのトラス構造を研究。実際にケント紙を折って様々なサイズで三角形のトラス構造を再現した。細かな作業に苦労したが、密度が上がるほど強度が上がることを確認することができた。

【(科学)青パパイヤの種や皮の美容効果】
沖縄料理でもよく使われる青パパイヤ。普段は捨てられる種や皮を有効活用できないかと考え、その美容効果を分析。実際の皮膚を使うのは危険なので、鶏肉や切り餅を使って検証した。鶏肉からは角質除去効果を確認、切り餅からは保湿効果を確認することが出来た。今後飲食店などで日々廃棄される青パパイヤの皮や種を使った沖縄県産化粧品の開発を期待したい。

【(生物)グッピーに与えるシロアリの栄養効果】
シロアリはセルロースを分解できる数少ない生物で、アフリカでは非常に栄養価の高い食べ物として食されていることを知り、その栄養効果を検証。生徒自ら枯木からシロアリを採取し、粉砕して市販のグッピーの餌と0%、50%、100%の割合で混ぜたものを一定期間与えて、グッピーの成長率を観測した。すると、0%でも100%でもほぼ変わらない成長率が確認され、グッピーの餌として充分代用できる事が分かった。

沖縄県立向陽高等学校
〒901-0511 沖縄県島尻郡八重瀬町港川150