那覇文化芸術劇場なはーと
総合プロデューサー 崎山 敦彦 さん

市民と対話し アーティストと共に 創造する ボーダレスな劇場空間

令和3年10月31日、那覇市の中心地、久茂地に開館した那覇文化芸術劇場なはーと。老朽化に伴い平成28年に休館した那覇市民会館に代わる文化芸術の発信拠点として誕生しました。平成29年に文化芸術基本法として法改正され、「これからの劇場がどうあるべきか」という新しい国の指針が盛り込まれた「なはーと」。単に予定されたプログラムを鑑賞するために足を運ぶ場というだけでなく、市民が文化芸術に触れるきっかけを作るための様々な戦略が盛り込まれた「創造型劇場」かつ「社会包括型劇場」なのです。

今回ジュクタンのカバー撮影にご協力いただくにあたり、総合プロデューサーの崎山敦彦さんにお話を伺いました。

崎山「なはーと誕生の大きなきっかけは、那覇市民会館の老朽化ですが、今回のプロジェクトは、単なる施設の代替ではありませんでした。文化芸術基本法の法改正に伴い、観光・まちづくり・国際交流・福祉・教育・産業等文化芸術など様々な考え方にアクセスし、文化芸術を通して経済のひとつの歯車として機能していくことが必要とされたため、この場所にエネルギーを集中させることにしたのです。そこで我々は、市民との対話を重ねてこの地方ならではの悩みや特性を細かく書き出し、令和2年に那覇市独自の『那覇市文化芸術基本計画』を策定し、劇場運営の基軸としました。例えば、劇場を囲む植栽はフクギ、カンヒザクラ、ガジュマルなど古来から沖縄で織物の染色に使われてきた15種類の染木です。この木々が成長した暁には、これらを利用して染色のワークショップなども企画したいと思っています。

人間の脳は予定調和でいることが楽ですが、それだけでは感性は鈍ってしまいます。人の感性を刺激するのが文化芸術です。なはーとのロビー空間には、自分では想像(創造)できない 『変』なものが時折現れるので、特に観劇などの予定がなくても気軽にお越しいただきたいです。作品を見て『これはなんだろう?』と考えたり、芸術に触れて感性を磨くことは、おとな・こども関係なく財産となります。

7月23日からはこのロビーで、ガジュマルの木を使用した植物空間演出を行います。森の中には儀保克幸さんの彫刻も展示。芸術家×芸術家のコラボレーションもみどころの一つです。このインスタレーションのために、半年以上前からガジュマルの生木を室内展示できるよう水耕で根回ししてきました。そのため、展示後はそのままの姿で自然に還す事が出来ます。暑い暑い夏休み、那覇の中心地に出現する、古来の森に涼みに来てください」

なはーとオープンロビープログラム
夏休み特別企画
はじまりの森 クサティムイ
〜おいでおいで、がじゅまるのもり〜
7/23(土)〜8/28(日)
開催 入場無料

那覇文化芸術劇場なはーと
<公式サイト>https://www.nahart.jp/