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茶道の心得「和敬清寂(わけいせいじゃく)」とは、和を以って互いに敬い、清らかでどんな時にも動じない心を持つこと。
ブカタン第3回目は、再び茶道部を紹介。「唯一競わない部活」と言われる茶道部ですが、その分他校との交流の機会は少ないもの。更にコロナ禍により3年ぶりの開催となった交流研修会の様子をレポートします。四季を愉しみ、和の心を愉しむ茶道部員達の爽やかな夏の1日をどうぞ。

第11回学校茶道交流研修会

夏休みも終盤に差し掛かった8月18日、沖縄県立那覇国際高等学校に県内16校の高校茶道部の部員と顧問の先生合わせて約70名が集結。第11回学校茶道交流研修会と令和5年度高文連茶華道部門第2回顧問会が同時開催されました。この研修会では、3年ぶりに呈茶席の実技演習が行われ、他校の茶道部との交流を図りました。

夏を愉しむ呈茶席

この日は朝8時半から受付スタート。午後に行われる呈茶席についての講話があり、那覇国際高等学校と読谷高校の茶道部から第47回全国総文祭茶道部門の報告のあと、参加校をシャッフルして4グループに分けたメンバーで協力して会場設営を行いました。

この日のために用意された御園棚には、涼し気なガラスの水差しや、鮮やかな青楓が描かれた棗(なつめ・抹茶を入れる容器)など、夏らしさが感じられる茶器が並べられ、なんとも爽やかな雰囲気に。

水屋(茶室の隣りにある、茶事を整える場所)には、それぞれの学校から持ち寄られた、数多くのお茶碗が茶せんと共にお茶を点てられるのを待っていました。薄手で広口の夏用平茶碗や夏のモチーフで彩られたお茶碗など、見ているだけで心踊ります。お菓子は首里の老舗和菓子店「四季彩」の、ひまわりをモチーフにした「太陽の花」。約70個のひまわりがテーブルの上に並んだ様子はまるでお花畑のようで壮観でした。

二度と戻って来ないこの瞬間を大切に

このような県内の高校の茶道部が集まって合同で研修会をするのは3年ぶり、ということは多くの生徒が初めての経験となります。最初は他校の生徒と協力し合うことに戸惑いを見せていた生徒たちも、午後にはかなり打ち解けて、笑顔で言葉を交わす光景が見られました。
実技演習は四席行われ、各席午前中に分かれた4グループで、お点前(亭主)・半東(亭主の補佐)・水屋/お運び/客と役割を交代しながら体験。お点前と半東は一人ずつのため都度立候補で選出。茶道というとお点前が注目されますが、実は茶席において水屋や半東の動きがとても重要。水屋では、亭主が正客(メインのお客さん)にお茶を提供した少し後に他の客に提供できるようタイミングを見て一斉にお茶を点てるなど、茶席を滞りなく進行させるため、生徒たちは顧問の先生方の指導を受けながら、自分の役割を精一杯果たしていました。

実技演習が終了後は、参加者全員で片付けをしてから、この日の振り返りをそれぞれアンケートフォームに入力。
最後に、那覇国際高等学校の茶道部の顧問であり、沖縄県高等学校文化連盟茶華道専門部専門委員長でもある具志堅加奈先生より「首里高校茶道部だった頃を懐かしく思い出しました。私の高校生活で一番大きい出来事は、天職である世界史と出会ったこと。そしてお茶と出会ったこと。出会いは一期一会です。皆さんも大切にしてください」という言葉で締めくくられました。

那覇国際高等学校茶道部顧問 具志堅加奈先生と
茶道部員の皆さん