初めまして!嶺井ゆかりと申します。西原町で、発達障害グレーゾーンのお子さまの個別学習支援教室を運営しています。どうぞよろしくお願いします。(グレーゾーンというのは、発達障害の特徴が見られるものの診断基準に満たない状態の通称です。) 今日から5回シリーズで、「勉強に困っている子ども」のことを取り上げていきます。
まずは「知る」ことが大事
「子どもの困り感がどこからきているのか」を知ることは、「優しい社会づくり」の第一歩です。「知る」ことで、相手の痛みに寄り添えるようになるからです。大人を「困らせている」子どもが、本当はとても「困っている」んだということを知り、その子を支える方法を考え、行動する大人が増えることを願っています。
LD(限局性学習症)って 知ってますか?
最近「LD」「学習障害」という言葉をよく聞くようになりました。LDとは、知的な遅れはないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる発達障害です。
2012年に行われた文科省の調査では、LD疑いの小学生は4・5%でした。つまり30人学級なら、クラスに1~2名いる、という計算になります。 今から15年ほど前、私のクラスに、どうしても漢字を覚えられない一人の男子がいました。(私は30年近く小学校教員をしていました)その子は、算数と理科はピカイチでしが、なぜか漢字だけができませんでした。毎週行っていた漢字10問テストでは、いつも2点か3点しか取れません。放課後、特訓して、本人が「よし、覚えた!大丈夫!」と自信が持てたところで再テストしましたが、やっぱり同じ…。今、思えば、あの子はLDだったのだと思います。
あなたのまわりにも、似たようなお子さんはいませんか?
こういう子は、できない=努力不足、と捉えられる事が多いため、学校からも親からも「とにかく書いて覚える!」という指導をされがちです。でも、その教え方は間違っています。今ふり返れば、私の指導も間違いでした。当時に戻って「ごめんね。」と謝りたいです。
「頑張っているのに音読ができない子。計算ができない子。」も、もしかしたらLDかも知れません。気になる場合は医療機関で検査を受けることができますので相談してみるのもいいかも知れません。
ただ、LDの診断を受けなくても、私たちにできることはたくさんあります。まず、「できない」ことを子どもの《努力不足》と言わないこと。ここが最も重要です。 LDのことを理解していたら、ひたすら書いて「覚える」という学習方法も見直されるでしょうし、クラスの子も「頭が悪い」と馬鹿にしたり意地悪したりすることがなくなります。
その子ができる方法で
そして、「その子ができる方法で」学習を進めること。文章を「読む」ことが苦手でも、「聞く」ことに長けている子もいます。今まで国語のテスト20点だった子が、《問題文を読んであげる》という支援をしただけで100点を取れるようになった、という事例も経験しました。(この子の「強み」は「聞いて覚える力」でした。) ※学習支援の方法は書籍やネットで調べることができます。その子に合った方法をいろいろと試してみてください。また学校には、特別支援教育の専門の先生もいるので、聞いてみるのもいいですね。 できない部分にばかり目を向けると、子どもは、だんだん意欲と自信を失っていきます。 どんな子にも必ず、「強み」があります。その力に早く気づいて、その子に合った学習方法を見つけてあげられるといいですね。私も日々、試行錯誤しています。
嶺井ゆかり
教育カウンセラー。公立小学校教諭として約1,000名の子どもと関わった。子どもたちが楽しく学校へ行けるよう一人ひとりに寄り添った支援がしたいと考え、早期退職。2019年に《グレーゾーンの小学生の個別支援教室TeaTree学びのルーム》を開設。
「TeaTree学びのルーム」
沖縄県中頭郡西原町小波津631 コーポ糸203号室 TEL.070-3802-4086
https://teatree2022.com/