こんにちは。嶺井ゆかりです。西原町で「学習障害 発達障害グレーゾーンの小学生のための個別学習支援教室TeaTree 学びのルーム」を運営しています。
5回シリーズで、「勉強に困っている子ども」のことを取り上げています。今日は第4 回。「子どもの“強み”の見つけ方」です。

《子どもの宿題に手がかかる》

よく保護者さまから「宿題」に関するご相談をいただきます。「なかなかやろうとしない」「時間がかかる」「教えると怒る」などなど。でもたまに、こういうことはありませんか?「今日はプリントだから楽勝」「今日はドリルに直接書いていいって!ノートに写さなくていいからラッキー!」そう言い、10 分で終わっちゃった!親としては「ホントにちゃんとやったの?」と疑いたくもなりますが 笑 実はこれ、お子さまの《脳タイプ》と宿題のマッチングがよかったから、かも知れません。

《継次処理と同時処理》

20世紀の後半、外国で認知科学が発展し、脳のメカニズムが急速に解明されていきました。「どのような情報に対して」「どのような処理を行う時」「脳の機能(はたらき)とどのように関係してくるのか」ということが詳細にわかってきたのです。
研究はさらに進み、【人間の情報処理(認知処理)スタイルには、継次処理スタイルと同時処理スタイルの2 種類がある】ことがわかってきました。私たちは、2 つの認知処理スタイルのうち、自分の得意な方を多く用いたり、状況に応じて使い分けたり組み合わせたりして、情報を処理しているそうですよ。

《あなたはどちらのタイプ?》

 あなたの得意な認知処理スタイルはどちらでしょう?次のA ・B から【どちらが使いやすいか】を選んでみてください。お子さんにも聞いてみてくださいね。

①時計→ A:デジタル派  B:アナログ派
②スケジュール→ A:時系列で管理  B:カテゴリーで管理
③目的地までのナビゲーション→ A:音声や文字 B:地図

さて、いかがでしたか?
Aが多かった人は「継次処理タイプ」、B が多かった人は「同時処理タイプ」、どっちもアリだなという人は「バランスタイプ」です。ちなみに私は同時処理タイプでした。このように、【ものごとのわかりやすさ(認知の仕方)】には、個人差があります。

《子どもに合った関わり方が大切。》

これを子どもの学習に置き換えて考えてみましょう。
例えば漢字の学習。一般的に、書き順を教えながら覚えさせますよね。大抵の子はこれでできるようになるため、漢字の書き取り練習は重視されています。これは【継次処理タイプ】の子にはやりやすい学習の仕方と言えます。
でも、何回書いても覚えられない子の場合は?この子は【同時処理タイプ】なのかも。この場合は、漢字の形と意味がイラストになったカードを見せながら学習すると覚えることができるかも知れません。(他にもいろいろな方法が研究されています)
冒頭の「宿題」の話に戻ると「用意されたプリントやドリルだったらできる」という子は【同時処理タイプ】なのかも知れません。

《その子の得意 強みを活かす》

子どもが得意とする認知処理スタイルを使って指導する方法を【長所活用型指導方法】と言います。脳には「得意・不得意」がある、ということが明らかになり、学校でも認知処理スタイルに合った教え方の研究が行われています。
今後、さらに【得意(強み)を活かした子どもサポート】は進んでいくでしょう。私たちの子育てにも取り入れていきたいですね。
TeaTree 学びのルームでも、子どもが得意とする認知処理スタイルを見つけ、その子に合った学習サポート方法を提供できるよう取り組んでいます。

《引用文献:「継次処理」と「同時処理」学び方の2 つのタイプ 藤田和弘 著 図書文化社》

嶺井ゆかり
教育カウンセラー。公立小学校教諭として約1,000名の子どもと関わった。子どもたちが楽しく学校へ行けるよう一人ひとりに寄り添った支援がしたいと考え、早期退職。2019年に《グレーゾーンの小学生の個別支援教室ティートリー学びのルーム》を開設。

「ティートリー学びのルーム」
沖縄県中頭郡西原町小波津631 コーポ糸203号室 TEL.070-3802-4086
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