こんにちは。嶺井ゆかりです。西原町で「ゆっくり学ぶ小学生のための個別学習支援教室TeaTree学びのルーム」を運営しています。5回シリーズで、「勉強に困っている子ども」のことを取り上げています。今日は第3回。《国語》について考えていきます。

《国語の苦手さはわかりづらい》

「算数が苦手です」とよく聞きますが、「国語が苦手」というのはあまり聞いたことがありません。「国語=日本語」は、ふだんコミュニケーションや情報収集のためのツールとして使っている道具なので、意思の疎通がなんとなくできていると、苦手さに気づきにくいのです。

《漢字イコール国語、ではない》

でも、「漢字が苦手」というお悩みはよく聞きます。そして、漢字が苦手だから国語が苦手、と思っている子どもがとても多い。もったいないことです。

漢字は、「読む」「書く」ための欠かせないツールです。でも、これからの時代もそうでしょうか。 今は、スマホの音声機能で文章を「聞く」ことができます。読まなくても知識を仕入れることができる時代になりました。さらに、文章を「手書きする」ことも減りました。今、私はWordを使って文章を書いていますが、ひらがなで打ち込めばパソコンが漢字に変換してくれます。誤変換には気をつけなければいけませんが、漢字を書けなくても全然困りません。さらに今後はAIが文章を書いてくれる時代に突入しそうです。

のように時代の流れをあらためて見てみると、「漢字を覚えて書くこと」の重要性は低くなっているのでは、と思います。「国語=漢字」と信じ込み、漢字の勉強に何時間も費やすことは、あまり意味がありません。ドリルを見ながら、同じ漢字を何回もノートに書き写すという宿題は、そろそろ辞めてもいいかもしれません。

以上のような背景を踏まえた上で、【漢字が苦手なお子さんの学習ポイント】を挙げてみます。まず、「読み」中心の学習を。「文脈の中で読める」ように練習しましょう。

次に、「書く」「覚える」学習は・・・その漢字を作っている「パーツ」に目が行くように教えると、子どもたちは楽しんで学習するようになります。  例えば、「親」という漢字。「立」「木」「見」の組み合わせでできています。私の名字「嶺」は「山」「令」「頁」の組み合わせ。♫春という字は、3人の日と書きます~♫という歌の歌詞もありますね(古っ!) こんな風に「分解して覚えるといいよ」と、漢字の「見方」を教えてあげてください。子どもたち、驚くほど書くことへの抵抗感が下がりますよ。

《そもそも「見えてない」子がいる》

漢字が苦手な子の中には、「見る力の弱さ」が原因で書けないという子がいます。例えば、次のような困り感がある子です。①横画の線が1本多かったり少なかったりする。②へんとつくりを逆に書く(例えば「明」の左右が逆になる、など)。このような場合は、視覚機能を鍛える訓練をすると改善します(個人差はあります)。私の教室で取り入れている「コグトレ(認知機能強化トレーニング)」がオススメです。本・ワークブックがたくさん出版されているので気になる方はチェックしてみてください。

《国語力=論理的に考える力》

国語の学習は、漢字を覚えて書くことだけではありません。最終的には、論理的に考える力を身につけること。それが国語学習の目的です。論理的に考える力を家庭で身につけるには、まず、日常生活の中での会話を見直すことから始めてみてください。例えば、「私はこう思う。なぜなら…」「僕はこれがいい。理由は…」と、親子でお互いの考えていることを話し合うようにするのです。自分の考えていることを相手に伝える、という経験が、論理的に考える力を育てる素地になります。

小学生は7歳~12歳と幅が広く、成長著しい時期です。そのため、低学年と高学年では学習のポイントが少しずつ違ってきます。漢字に関しては、特に1年生の漢字は重要です。1年生で習う簡単な漢字が「画数の多い漢字」の「パーツ」になる。つまり、漢字の土台となるからです。そういうわけで、1年生の漢字は、楽しみながら、頑張って取り組んでほしいと思います。お子さんの強みに合わせた学び方がありますので詳しく知りたい方はメールか電話でお問い合わせ下さい。

嶺井ゆかり
教育カウンセラー。公立小学校教諭として約1,000名の子どもと関わった。子どもたちが楽しく学校へ行けるよう一人ひとりに寄り添った支援がしたいと考え、早期退職。2019年に《グレーゾーンの小学生の個別支援教室TeaTree学びのルーム》を開設。

「TeaTree学びのルーム」
沖縄県中頭郡西原町小波津631 コーポ糸203号室 TEL.070-3802-4086
https://teatree2022.com/