第14回 伝説のアリを探して[〜好奇心の向かう先へ〜キュリオス沖縄]
沖縄県石垣島。この島には日本のアリ好きなら誰しもが知っている伝説のアリがいます。その名もオモトアシナガアリ Aphaenogaster omotoensis 。本種はアシナガアリ属というグループに属しており、名前の通り脚が長くスマートな体系をしています。国内では北海道から沖縄まで広く分布するアシナガアリ属ですが、オモトアシナガアリは石垣島にそびえ立つ沖縄県の最高峰、於茂登岳(おもとだけ)の山頂付 [...]
沖縄県石垣島。この島には日本のアリ好きなら誰しもが知っている伝説のアリがいます。その名もオモトアシナガアリ Aphaenogaster omotoensis 。本種はアシナガアリ属というグループに属しており、名前の通り脚が長くスマートな体系をしています。国内では北海道から沖縄まで広く分布するアシナガアリ属ですが、オモトアシナガアリは石垣島にそびえ立つ沖縄県の最高峰、於茂登岳(おもとだけ)の山頂付 [...]
2021年、日本からオオムカデの仲間が新種として記載されました。その名もリュウジンオオムカデ。日本最大のムカデで、沖縄島、渡嘉敷島、久米島、八重山諸島、台湾に生息する琉球列島固有種です。黒い胴部に翡翠色歩脚を持つとても美しいムカデで、山地の渓流やその周辺に生息しています。本種の特徴というと、まずはその大きさです。なんと全長25センチを超える巨体を持っています。先ほども述べたように本種は日本最大の [...]
沖縄の伝統的な焼き物といえば、皆さん御存知の壺屋焼ですね。1682年に尚貞王が県内の3つの窯を統合し、現在の壺屋にあたる場所に新たな窯場を設置したのが始まりとされています。壺屋焼は陶器に分類され、お皿だけでなく、ガーミ(瓶)や酒器など様々な製品が作られています。また、島人の日用品としてだけでなく、かつては交易品としても活躍し、現在でもとても人気があります。そんな壺屋焼を圧倒し、ピンチに陥れた食器 [...]
第11回 激推し!タマヤスデ!!〜沖縄の海と山の推しメン紹介〜 「土の中にいる丸くなる虫といえば?」 と聞かれたら皆さんはどう答えますか?おそらくほとんどの人が「ダンゴムシ!」と答えるでしょう。実は、ダンゴムシのように丸くなる生き物は他にもたくさんいます。今回はその中から私が大好きなタマヤスデという生き物を紹介します。 タマヤスデは名前の通りヤスデの仲間です。多くのヤスデは長い体にたくさ [...]
城岳小学校のみんなで「手前取り」を流行らせれば、フードロス削減の一助に。 令和6年2月2日、那覇市の城岳小学校でSDGs勉強会として、エコイートの出前授業が行われました。参加したのは、4年生の生徒さん。この日は授業参観があり、保護者の方にも一緒に勉強をしていただきました。授業参観に合わせて勉強会を実施するのは、フードロスについて、保護者の方にも子どもたちと同じ意識を持ってほしいから。子供がいく [...]
第10回 カタツムリを探そう!〜沖縄の海と山の推しメン紹介〜 皆さんは冬に生き物を探したことはありますか?沖縄とはいえ、冬は気温が下がり暖かい時期に比べると生き物たちの姿も少なくなってしまいます。しかし、冬でも観察できる生き物たちは実は結構いるんです。今回はその中でもカタツムリに注目して、よく見かけるユニークな種たちを少し紹介していきます。探しに行くのは雨の後で森が湿っているような時がベ [...]
第9回 やんばるの森に光る宝石!?魅惑のホルストアマビコヤスデ〜沖縄の海と山の推しメン紹介〜 秋といえばヤスデですね。気温が下がり涼しくなっていくこの季節、様々なヤスデたちが姿を現します。 ヤスデとはヤスデ綱Diplopodaに属する生き物の総称で、無数の脚を持ち、また体は多くの節(体節)に分かれています。ムカデに似ていますが、毒を注入する顎肢 (顎のように変化した脚)を持たないことや、 [...]
第8回 貝殻や流木だけじゃない!? ビーチコーミングの魅力 〜沖縄の海と山の推しメン紹介〜 皆さんはビーチコーミング(beach combing)をしたことがあるでしょうか?ビーチコーミングという単語は知らなくても、実は経験したことがある人は多いはずです。ビーチコーミング(以下ビーチコ)とは、海岸に流れ着いた漂着物を観察したり収集したりする活動のことで、海に行って砂浜の貝殻や石などを拾っ [...]
第7回 初夏の林床に輝く宝石のようなハムシの話 〜沖縄の海と山の推しメン紹介〜 「沖縄の海と山の推しメン紹介」というサブタイトルなので、そろそろ推し虫の話でもしましょう。その昆虫は初夏の沖縄の林床に現れます。最大10mmの虫と聞くと小さいと感じるかもしれませんが、でもハムシの仲間としてはとびきり大きい方で、他の多くのハムシとちがって脚ががっしりと太いのもあってボリューム感があります。そ [...]
第6回 奇妙な形をした飛べない蛾(ガ)〜沖縄の海と山の推しメン紹介〜 庭の樹やベランダで育てている野菜をガの幼虫にやられて憤った経験のある人は少なくないのではないでしょうか。どこからともなく成虫が飛んできて卵を産みつけ、気づいたときにはかなり葉が食われた後だったりします。また成虫・幼虫ともに「なんか気持ち悪い」という理由で敬遠されがちな生き物でもあります。 コシロモンドクガの幼虫。4 [...]
第5回 星型のまゆの正体は〜沖縄の海と山の推しメン紹介〜 2016年の梅雨ごろ、当時技術補佐員としてバイトしていた医学系研究室に出勤する途中、ヘクソカズラの絡んだ駐車場のフェンスで奇妙なものを見つけました。それは5ミリもないくらいのウジ虫型の幼虫がくす玉のように星型にたくさん集まって、糸でぶら下がっているというものでした。幼虫は糸を吐いている真っ最中のようです。 集団で蛹になるホシガ [...]
第4回 浜辺を駆け抜ける白いスプリンター。〜沖縄の海と山の推しメン紹介〜 真夏の浜辺を歩いていると、小さい白っぽい影のようなものが足元をパーッと走りぬけていくことがあります。砂に溶けこむような色と、何よりその素早さから、はじめて見たときにその正体がカニだと見ぬける人は少ないでしょう。 海岸植生がよく残っている沖縄の砂浜には、ナンヨウスナガニやツノメガニなどのスナガニ類が生息して [...]
第3回 レッツチャレンジ昆虫食。〜沖縄の海と山の推しメン紹介〜 こ数年、SDGs的な注目もあってか、コオロギ粉末入りのスナック菓子が量販店に並ぶなどかなりメジャーになってきた昆虫食。 しかしいざ自分たちで採ってきて食べるとなるとハードルが高いという方も多いようです。SDGsというのであれば、自然界から採ったものが口を通り、体をつくる栄養となることを体験し生態系と自分とのつながりを感じて [...]